Visiting Sleeping Beauties: Reawakening Fashion?

You must join the virtual exhibition queue when you arrive. If capacity has been reached for the day, the queue will close early.

Learn more

Press release

世界屈指の竹工芸コレクション、METに寄贈決定! 祝の特別展、人間国宝ら、明治~現代の名工の傑作多数。 6・13よりMETにて開催

Japanese Bamboo Art: The Abbey Collection

English | 日本語

Exhibition Dates: June 13, 2017–February 4, 2018 
Exhibition Location:   The Met Fifth Avenue, Galleries 224–232,
Arts of Japan, The Sackler Wing Galleries
Press Preview: Monday, June 12, 10 am–noon

日本の竹工芸の名品を一堂に集めた特別展「日本の竹工芸:アビー・コレクション 」が、6月13日よりメトロポリタン美術館にて公開されます。展示されるのは19世紀後半から現代にかけての作品で、人間国宝6人の代表作を含む90点以上。近年まで西洋ではほとんど知られることのなかった日本の竹工芸の洗練された美と研ぎ澄まされた技を紹介します。ギャラリーの入り口を飾るのは、四代田辺竹雲斎(たなべちくうんさい、1973-)が本展のために制作した大型のインスタレーション作品です。本展覧会は日本の近現代竹工芸の発展の歴史における重要な局面にスポットを当て、竹工芸の伝統を受け継ぐ優れた名工の作品を紹介すると同時に竹工芸がコンテンポラリー・アートとして認識されるようになるまでの歴史を辿ります。

ダイアン&アーサー・アビー・コレクションは、日本の竹工芸の最も優れたプライベート・コレクションの一つです。ほとんどの作品は今回が初公開で、そのうちの70点以上が将来メトロポリタン美術館に寄贈されます。

The exhibition and accompanying Bulletin are made possible by Diane and Arthur Abbey. 

竹でできた素朴な生活用具や洗練された竹細工の器は、代々伝わる技法に則って、何百年にもわたり日本各地で作られてきました。しかしその熟練の技を駆使した作品が日本の伝統工芸美術として認められるようになったのは19世紀も末になった頃で、アートとみなされるようになったのはそれからまだ後のことです。

本展は、竹工芸が盛んな関東、関西、九州地方に注目し、明治(1868–1912)・大正(1912–1926)期に活躍した先駆者達の作品、革新的作風で現代竹工芸の礎を築いた飯塚琅玕齋(いいづかろうかんさい)等近代作家の作品、そしてさらに現代アーティストの作品を地方別に展示します。またメインの作品に加え竹をテーマにした掛軸や屏風、そして他の工芸作品も展示し、全体を通して、四季や生け花、茶道などに関する理解が深まるよう構成されています。

伝統の技や様式を後世に伝えてゆくために家元制度を立ち上げることは、日本の優れた芸術家達の間で古くから行われてきました。その慣習に倣い竹工芸の大家の多くも家元となり、その系統を継ぐほとんどの家が現在も活動を続けています。本展では、早川家を継承する4人、そして四代続く田辺竹雲斎家の全ての代表作家の作品を展示することで、伝統がどのように受け継がれてきたかを紹介します。

今回展示される名品の中には次の作品が含まれます。初めて作品に銘を残した竹工と言われる初代早川尚古斎(1815–1897)作「提藍」(1877–80頃)、1929(昭和4)年の帝展で竹工界から初入選した阪口宗雲斎(さかぐちそううんさい、1899–1967) の入選作「水月」果物籃(1929)、1967年に竹工界から初めて人間国宝に認定された生野祥雲斎(しょうのしょううんさい、1904–1974)の初期の作品である「七宝文煤竹網代編盛籃」(1947頃)、洗練されたコンセプチュアルな作品である植松竹邑(うえまつちくゆう、1947-)作「涼風立つ」(2014)、そして非常に柔らかい女矢(めんや)竹を使った本間秀昭(1959-)作 「流紋」(2014)などです。本間氏は、航空自衛隊員時代勤務中に片目を失明し、その後父である本間一秋に師事し竹工芸の道に入りました。

コレクターについて
長年ニューヨークを拠点として活動しているダイアンとアーサー・アビー夫妻は、1990年代になってそれまで集めていた西洋の現代美術作品に加え日本の竹工芸品のコレクションを始めました。竹籠や竹製のスカルプチャーなど200点以上にのぼる夫妻のコレクションは、19世紀後半から第二次世界大戦後に作られた人間国宝の代表作までをカバーする竹工芸の包括的コレクションとして知られています。

クレジット
本特別展は、メトロポリタン美術館アジア美術部のアシスタント・キュレター、モニカ・ビンチクがキュレートしました。

出版物
本展と併せて刊行された『メトロポリタン美術館紀要(The Metropolitan Museum of Art Bulletin)』 2017年春号では、ダイアンとアーサー・アビー夫妻の日本の竹工芸コレクションのハイライトを紹介しています。

教育プログラム
本展に関連して、メットではギャラリー・ツアーなどさまざまな教育プログラムが用意されています。10月22日のイベント「サンデー・アット・ザ・メット(Sunday at the Met)」では、竹工芸作家で人間国宝の藤沼昇氏がさまざまな竹編みの技法を実演します。

この特別展に関する情報は、当館のウェブサイトwww.metmuseum.org、またFacebookInstagramTwitterにてもご案内しています。

# # #
2017年 6 月 8 日



Image: Honma Hideaki. Flowing Pattern, 2014. Japanese timber bamboo, dwarf bamboo, and rattan. Promised Gift of Diane and Arthur Abbey

Press resources